1960年8月以降今日に至るまで、毎月継続的に公表されている景気動向
指数
は、基本的な構成を今日まで維持してきたが、日本
経済
を取り巻く環境が変貌する中で、抜本的な見直しの必要性が指摘されるようになった。内閣府
経済
社会総合研究所では、景気動向
指数
のあり方について基本に立ち返って検討を行い、その成果として、2022年7月に「景気を把握する新しい
指数
(一致
指数
)」(「新一致
指数
」)を公表した。「新一致
指数
」は、
経済
のサービス化、ソフト化の進展により、財とサービスの動きにデカップリングがみられるようになったことを踏まえ、
経済
全般に及ぶ共通的な変動を前提としたこれまでの景気の捉え方を再考し、
経済
活動の総体量の変動に着目することにより策定されたものである。また、幅広い指標を組み合わせること、生産・分配・支出の三面から捉えること、民間部門の自律的
経済
活動を捉えることも基本的な考え方とし、具体的な指標構成とそれらを合成する手法を考案した。「新一致
指数
」の動きをみると、現行の景気動向
指数
(一致
指数
)と概ね同じ方向に変動しているが、振幅の大きさがやや小さくなっていること、現行の景気動向
指数
(一致
指数
)と比べて実質 GDP と類似した動きとなっていること等が確認できる。「新一致
指数
」が適切な景気の指標となり得るか否かについては、今後データを蓄積していく中で十分に吟味していくべきである。
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