第2回栃木県畜産共進会出品種雌豚と, 第4回全日本豚共進会出品種雌豚の体尺測定値を比較して次の知見を得た。
1. 経産豚において, 県共の出品豚は全共のものに比較して, すべての部位が小さく, 体型の大型化について今後育種的に, また飼養管理上一層の改善を必要とすることが認められる。
2. 未経産豚においては, 体長および体高の2部位は, 全共と県共との間にそれほど著しい差を認めないが, 胸囲, 管囲, 胸深, 前幅, 胸幅, 後幅の6部位についてはきわめて大きな差が認められる。
3. 未経産豚において, あまり差の認められなかった体長, 体高の2部位が, 経産豚になると著しい差を生ずることは注意すべきであろう。
4. 体型の比較については, 県共の経産豚は相対的に肋の深さと肋の張りに乏しい欠点を有し, 管囲も体の大きさに比較して相対的にやや細い傾向が認められる。
5. 県共の未経産豚は全共のものと比較して, 胸の深さと肋張りが劣っている傾向が認められる。
6. 未経産豚において, あまり差の認められなかった胸囲と管囲が, 経産豚では全共のものに劣る傾向が認められるのは, 飼養管理技術の欠陥が原因であろうと推測される。
今後育種学的に, また飼養管理技術の改善に一層の注意が払われ, これらの欠点を克服することが望まれるものである。
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