本研究は,廃棄物を利用した効率的なエタノール発酵の可能性を見出すため,糖化工程を省略したエタノール発酵におけるエタノール生成および有機酸の生成量と割合特性について検討を行った。試料には,模擬生ごみを用い,これに
S.cerevisiae を接種した。その結果,
S.cerevisiae と模擬生ごみに生息している嫌気性細菌による複合微生物系によって,優先的にエタノールが生成され,有機酸の種類と割合が同様な傾向になった。また,酵母接種比が高くなるにつれて,固形分減少率も高くなる傾向がみられた。 これらの検討結果より,糖化工程を省略したエタノール発酵における最適反応時間は18 時間であり,最適酵母接種比は3.45g-湿潤酵母/kg-模擬生ごみであることが分かった。
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