介護施設の介護職・看護職と担当薬剤師が,薬の情報と介護・看護情報をおのおの時系列で可視化して見比べられるような情報共有シートを用いて,利用者に関する困りごとと薬のかかわりを検討する「お薬検討会」を11施設,38人を対象に実施した.施設によって4〜11回開催され,1回あたりの参加者は7人程度であった.これまで情報交換体制の構築がむずかしかった介護職と薬剤師による情報共有が可能となり,医師とも連携することによって,処方薬の見直しや,必要な薬であることの確認等が行われた.お薬検討会に参加した介護職へのアンケートでは,「前に比べて利用者の状況をよく観察している」「前に比べて利用者の状況とお薬の関連を考えている」と8割以上が回答し,医療職に日常の様子を伝える介護職の重要性を認識した等,意識の変化がみられた.今後は,このような機会をより多くの利用者に提供するため,効率のよい取り組みの開発が期待される.
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