アフリカ・サヘル地域の砂漠化防止と地域住民の生活改善・食糧自給を目指して,緑のサヘルは 1991 年に東京で結成された。創立直後,現地調査団を派遣し,地域住民のニーズの掘り起こしや行政府との折衝を行い,翌 92 年よりチャドのオペレーションを開始した。チャドの事業をすすめる一方,都合 3 回の現地調査を経て. 1996 年に調整事務所を開設して,ブルキナファソのプロジェクトを立ち上げた。プロジェクトサイトのあるタカバングゥ村はフソレキナファソ圏内でも最北東部に位置し,雨期の 300~400mm の降雨で,住民は基幹作物であるソルガム(モロコシ) .ミレット(トウジンビエ),ササゲ等を栽培している。しかしそれだけでは充分ではなく,ウシ,ヤギ,ヒツジを飼養する半農半牧で生計を立て,不足分は近傍での金掘りとアビ、ジャン等の大都市への出稼ぎで補っている。プロジェクトは村内の男女 2 組の農民組合と共同で,出来るだけ外部からの投入財を押さえること,話し合いに基づき労働力や事業費の一部負担等,住民の積極的な参加を条件として:
1) ミレッ卜栽培地でもある古砂丘斜聞上に生じたガリ侵食の防止
2) コミュニティフォレストリー,居住空間の緑化,果樹等有用樹の植栽,植生保護区内への補植,植林活動の活性化
3) 女性組合を対象に,改良カマドの普及および乾期の浅井戸を活用した野菜栽培の普及 等の活動を重点的に実施している。
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