日本ベンチャー学会誌
Online ISSN : 2433-8338
Print ISSN : 1883-4949
研究論文
中堅中小企業における理念経営に関する研究
―価値、理念浸透、そして業績―
鈴木 勘一郎
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2009 年 14 巻 p. 13-22

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抄録

本研究は、日本の中堅中小企業における「経営理念」とその作用メカニズム、すなわち「どのような経営理念が、どのような形で経営成果に影響を及ぼすのか」についての実証的研究である。理念の浸透と他の要素との関係を確認するために、「独立変数→媒介変数→目的変数」という2段階のロジックを設定し、日本の中堅中小企業96社の経営アンケート・データに基づいた理念経営に関する 4つの基本命題を確認した。第1段階(独立変数→媒介変数)では、理念内容並びに市場環境要素と理念浸透度との間には有意な関係が見出せなかった。一方、理念浸透努力並びにHRM 要素などは有意な相関関係が示された。続いて第 2段階(媒介変数→目的変数)の分析では、理念浸透度と創造的風土並びに財務業績(ROA)との間に統計的に有意な影響が確認されたが、ROSとの関係は有意ではなかった。全体としては、理念浸透努力とHRM 要素によって理念浸透度が高まり、それが創造的風土と財務業績にポジティ ブな影響を与えるというメカニズムが概ね確認されたが、最後にいくつかの研究課題が提起された。

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© 2009 日本ベンチャー学会
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