自動車整備士を育成する専門学校の学生4クラスに協同学習の原理を応用したグループ・プロジェクト法による授業を実施し、学生の知識向上と社会的スキルの向上を図った。その効果検証のために、最終授業後に授業内容について自由記述による質問を行うとともに、授業の前後に質問紙による調査を実施した。その結果、自由記述による質問の回答分析から、学生たちが学習内容に対して深く考察し、多くの知見を習得したことが推察された。また、授業前後に用いた質問紙の質問項目である協同作業認識尺度、日常生活スキル尺度(大学生編)、コミュニケーション・スキル尺度(ENDCOREs)、多次元共感性尺度、達成動機測定尺度の中から、協同作業認識尺度、日常生活スキル尺度、コミュニケーション・スキル尺度の各平均値が授業後に有意に高くなっており、それらの尺度のいくつかの因子の平均値も授業後に高まっていた。これにより、目標とした社会的スキルごとに達成度に違いはあるが、授業によるある程度の効果が確認された。
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