発作性上室性頻拍(PSVT)の機序を解明するために種々の方法があげられる.われわれは,早期心房刺激法を用い房室伝導曲線を作成し,PSVTの機序の鑑別に有用であるかを検討した.対象はPSVTを有する10例で,5例は間融性WPW症候群で検査時QRSの正常化を示していた、残る5例は電気生理学的検索により.潜在性WPW症候群と診断された.全例で,正常房室伝導路を正伝導路副伝導路を逆伝導路とする興奮旋回路を有するPSVTと診断された.房室伝導曲線を描き,その曲線の連続性を分析した結果,全例が連続曲線と判定された.以上の所見より,PSVT例の房室伝導曲線が連続曲線を呈する場合,副伝導路がPSVTの逆伝導路として関与する可能性を常に考慮する必要があると思われる.
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