直線歯型に加工したラジアータパイン板目板の歯型木口面それぞれから毛管浸透により異なる着色液の供給を同時に並列して行う,並列毛管圧着色法を開発した。この着色法による浸透過程と着色パターンを調べるために,歯型木口面,歯型柾目および歯型底部曲面,板目面のいずれかの面,またはそのうちの2面を防水処理した試験片を用いて着色実験を試みた。その結果,歯型木口面から繊維方向に浸透した配合液が,歯型基部の延長域から歯型底部の延長域へ浸透する過程で分離し,吸着性のない顔料だけが隣接の色と混合した。また歯型柾目および歯型底部曲面からの浸透によって,吸着性の大きいBasic Violet 7による細く尖った着色パターンが生じた。このように防水処理の有無によって,着色液の着色過程,着色パターンに変化が見られ,意図的な着色パターン制御の可能性が示された。
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