国立天文台は主鏡をコンピュータ制御し最高の画質を誇る8mすばる望遠鏡をハワイ島マウナケア山頂に1999年に完成した.10年後には,大気の揺らぎによる像の劣化を実時間補償してその解像力を回折限界にまで高める補償光学装置とレーザーガイド星生成装置の開発により,すばる望遠鏡の視力はさらに10倍になった.この補償光学の原理と実際の装置構成,新たな展開と他分野への応用を述べる.すばるが成し遂げた初期宇宙史の解明や太陽系外の惑星の探査をさらに進めるため,国立天文台は2014年度からマウナケアに口径30mの次世代超大型望遠鏡TMTを国際協力で建設する.TMT計画の概要とそのサイエンスについても解説する.
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