本学小児歯科来院患者の実態調査は, さまざまな角度から, すでに3報まで報告してきた.今回, 近年の新患来院患者について, 主訴, 来院の動機, 月別, 曜日別の来院状況などから, 本学の最近の小児歯科の動向について調査検討した。対象は, 平成元年 (1月-12月) の1年間の新患来院患者839名である.1) 来院患者の内訳としては, 健常児631名, 心身に何らかの障害を持った者80名, 唇顎口蓋裂児128名である.2) 来院患者の平均年齢は, 健常児5歳7か月, 障害児6歳9か月, 唇顎口蓋裂児2歳5か月である.3) 主訴については, 編蝕治療を希望する者が圧倒的に多く, 歯列不正, 検診と続いていた.4) 月別の来院数を比較すると, 3月に最も多く, 次いで7月, 12月と続いていた.5) 曜日別の来院数では, 月曜日に最も多く集中していた.健常児のみを対象とすると,
木曜日
が最も多かった.6) 主訴別に各曜日に特徴があるか調べたところ, 鶴蝕治療に関しては, 曜日別の来院数とほぼ同様な傾向を示し, 歯肉腫脹では週の後半, 歯列不正では週の前半に多い傾向があり, 外傷に関しては月曜日の来院が最も多く, 火曜日以降週末にかけて徐々に増加していた.
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