本研究では,ナノ秒パルスレーザ照射による表面改質を利用することにより,材料表面の濡れ性を制御することを狙っている.とくに本報では,生体材料としても広く用いられているSUS316L鋼に対して,ピッチ間隔を変化させた条件でレーザを照射した際の照射面の濡れ性について,表面性状と関連付けて評価を行った.その結果,レーザ照射により,撥水性を有する表面を創成可能なこと,またピッチ間隔によってその撥水性が異方性をもつようになることを明らかにした.さらに,材料表面の清浄度(有機物の有無)によって超撥水性から超親水性を有する表面に変化することを明らかにした.
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