水素原子の可視スペクトルの波長にひそむ法則性を, バルマー(Balmer)はいかにして発見したのであろうか。この問題の解答は意外と知られず, 明確に真正面から取り組んだ解答なるものは, 久保昌二による解説のほかに手近にはないと思う。本論文は, 連分数を用いて, Balmerの法則を再発見する方法について述べる。なお, 本論文は連分数を「二つの有限小数の比を(近似する)整数の比に変える手法」として利用した。また, 連分数の計算をするときや, パソコンを利用するときに役立った, 数学的なことも付記した。
抄録全体を表示