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クエリ検索: "松山愛佳"
2件中 1-2の結果を表示しています
  • 黒須 春香, 加藤 久美子, 百田 絢子, 佐井 裕紀, 松山 愛佳, 加藤 隆, 井上 聡, 平林 裕樹, 鈴木 省治
    日本女性骨盤底医学会誌
    2023年 19 巻 1 号 18-22
    発行日: 2023/01/31
    公開日: 2023/06/24
    ジャーナル 認証あり

    女性泌尿器科外来で2 例の女性傍尿道平滑筋腫に遭遇した。症例1 は29 歳未産婦で、尿道痛と外尿道口腫瘤を主訴に紹介された。台上診で外尿道口に17 × 10mm の鮮紅色の腫瘤を認めた。尿道カルンクルに類似するが好発年齢より若くやや硬かったことから手術を勧めたが患者が躊躇した。6 ヵ月後は18 × 13mm に増大し、MRI ではT1 強調像で低信号、T2 強調像で軽度高信号の内部均一、境界明瞭な腫瘤で、悪性を示唆する所見はなかった。 外尿道口の3 時方向から発育していた腫瘤を基部から5mm 離して切除した。症例2 は64 歳経産婦で、腹圧性尿失禁のため紹介された。台上診で咳ストレステスト陽性、尿道過可動、前腟壁の親指大、弾性軟の腫瘤を触知した。 ビデオウロダイナミクスで膀胱過活動はなく尿流動態性腹圧性尿失禁を確認した。MRI は行わなかった。前腟壁に正中切開を入れ、TVT 手術のテープを挿入する前に尿道6 時方向に接する腫瘤を経腟的に切除した。両例の病理結果は平滑筋腫で、術後経過は良好であり観察期間中に再発を認めなかった。症例2 の腹圧性尿失禁は治癒した。女性尿道平滑筋腫は比較的少ない疾患で、症状は腫瘤触知、排尿障害、外陰部出血などで無症状のものもある。泌尿器科や婦人科の日常診療で遭遇する可能性があり、尿道カルンクルなどのほか悪性腫瘍との鑑別が必要となるため、疑いがあれば手術、生検で病理学的評価を行う必要がある。

  • 松山 愛佳, 加藤 久美子, 鈴木 省治, 百田 絢子, 佐井 裕紀, 加藤 隆, 井上 聡, 平林 裕樹
    日本女性骨盤底医学会誌
    2023年 19 巻 1 号 50-55
    発行日: 2023/01/31
    公開日: 2023/08/01
    ジャーナル 認証あり

    難治性膀胱炎の診療では、薬剤性膀胱炎の可能性を念頭に置く必要がある。防風通聖散の8 年間の処方で薬剤性膀胱炎を起こし診断が遅れた症例を経験したことから、漢方薬による薬剤性膀胱炎の文献学的検討を行った。

    PubMed、医学中央雑誌で検索した文献とその引用文献から、症例報告37 例(すべて本邦)を分析した。年齢は2 ~72 歳(中央値11 歳)と幅広く、小児期と老年期の二峰性を示した。男性14 例、女性23 例で年代別でも女性が多かった。無菌性膿尿が持続し、膀胱鏡で重度の炎症所見のほか一部で隆起所見を認めた。膀胱生検の行われた17 例中14 例(82.4%)で好酸球浸潤を認めた。被疑薬は柴苓湯、柴朴湯、小柴胡湯などで、94.6% がオウゴン含有方剤であった。被疑薬内服開始から発症までの期間は3 週間から10 年(中央値2 年)と長く、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、ネフローゼ症候群、慢性肝炎などに長期処方されていた。被疑薬中止から症状消失までの期間は3 ~42 日(中央値10 日)と短く、薬剤性膀胱炎の可能性に思い至れば治療は容易であった。チャレンジテスト(再処方による症状発現)は、行われた12 例全例で陽性だった。

    薬剤性膀胱炎では、その可能性に気づき服薬中止で症状消失を確認することが肝要である。漢方薬はOTC 医薬品としても普及しており、副作用の薬剤性膀胱炎に肝障害や肺障害と同様の注意喚起が必要である。

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