ナトリウム-硫黄二次電池の隔膜兼固体電解質として用いる,β"-アルミナセラミックス (Na
2O・5Al
2O
3) をディスク形状に成型し, 両側に Na 金属を配した Na/Na セルに組み込んで, 劣化挙動を評価した。通電により Na イオンを通過させると, β"-アルミナ表面から黒色層が生成する。この層は抵抗がほぼゼロの劣化層であり, 電流密度が大きくなるほど, また作動温度が高くなるほどその生成は加速される。劣化が第二段階に進行すると, 明確なクラックの進展が認められるようになり, 電流集申により劣化は急速に進行する。これらの結果を基に導いた劣化推算式から, β"-アルミナの通電寿命を推定することができた。作動温度 350℃, 電流密度 O.1A/cm
2 で, 第一段から第二段に移行する (明確なクラックが発生する) までの通電量は 7400Ah/cm
2, 厚さ 1mm のセラミックスが破損するまでの通電量は 7.8×10
4Ah/cm
2 と見込まれる。
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