近年,ネギ類,花き類を中心に被害が増加しているシロイチモジヨトウの発生消長とその寄生性天敵の種類と寄生率消長について,鹿児島県桜島町のハネギ周年栽培地帯で調査した。成虫は5月から12月まで,フェロモントラップで誘殺され,7月一10月には特に多かった。卵は7月から11月まで見られ,7月~9月に4回のピークがあった。幼虫と被害株は6月から12月まで見られ,7月一10月にそれぞれ4回のピークがあった。
本種の寄生性天敵は,卵寄生蜂がScelionid sp.とタマゴヤドリバチ科2種の計3種,幼虫寄生蜂は,ヒメバチ科のタバコアオムシヤドリバチとヒメコバチ科のEulophid sp.AとB,コマユバチ科のMicroplitis sp., Meteorus piulchricornis, Bracan sp.の計6種が確認された。また,幼虫―蛹寄生蠅はヤドリエ科Carcelis sp.が確認された。
Scelionid sp.とタバコアオムシヤドリバチ,Microplitis sp.の寄生率が高く,これらの3種の寄生率消長も報告した。
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