情報検索能力は,大学において勉学を進めたり論文を書いたりする際,必要不可欠である。近年のインターネット技術の普及により,従来の図書館の文献目録に代わり,WWW情報検索の機会が増えてきている。それにともない情報検索には,より多様な知識やスキルが求められるようになってきた。しかし最近,授業や研究指導の場を通して,学生の情報検索能力の個人差が大きくなってきていると感じられる。この個人差の要因を明確にし,情報教育に生かすことが重要である。本稿では,WWW上での情報検索能力に焦点を絞り,日常のPC利用状況がWWW情報検索能力に影響を与える要因を,探索的手法―データマイニングの一手法である決定木学習―を用いて探索的に分析した結果を報告する。分析の結果,1)論理式に関する知識,2)自宅でのインターネットへのアクセス,3)WWW利用歴,4)入力キーワード数,という四つの分類条件属性を,WWW情報検索のNovice群とExpert群を分ける要因として抽出することができた。
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