ヒメツバメウオ科
Monodactylus属の2種の染色体を調査したところ, インド・西太平洋産の
M.argenteusでは雌雄とも染色体数は2n=48ですべてacrocentric染色体からなる同一の核型を示したのに対し, 西アフリカ産のM.sebaeでは, 雌は48個のacrocentric染色体をもつが, 雄の染色体数は2n=47で, その核型は1個の大型のmetacentric染色体と46個のacrocentric染色体から構成されていた.また, この種の雄の成熟分裂中期には22個の二価染色体と1個の三価染色体が観察された.以上から,
M.sebaeは雌X
1X
1X
2X
2, 雄X
1X
2Yの複合性染色体をもつものと判定される.XXYタイプの性決定機構は魚類ではこれまでに8種で知られているが, スズキ目魚類では本報が2種めである.
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