硬岩用の全断面型TBMにおいて,カッタヘッドの中心部を開口にしたドーナツ型TBMが考案された.このドーナツ型TBMは,中心部を掘削しないことによりセンターカッタを無くすことや,掘削面積の減少によりカッタ配置数を少なくできるなど全断面型TBMとは異なる掘削特性がある.本研究はこの掘削特性を評価するため,高強度モルタル供試体を用いてカッタヘッドが接するすべての範囲を掘削する実験装置を新たに製作した.この装置を用いた掘削実験により,全断面型TBMの岩盤破砕のメカニズムが再現できることや,センターカッタが切削抵抗を大きくしていることを実証するとともに,ドーナツ型TBMは掘進速度が増大し,比エネルギが減少することを明らかにした.