今回の発表は、前半はアレキーパ県カスティ ーリャ郡を中心に、コロプナ山周辺で実施した 現地調査の報告である。後半は、バルデラマとエ スカランテ[1997]のコルカ谷の説話集から山に 関する説話をいくつか紹介し、今後の調査課題 について検討する。
発表者はこれまでアプリマック県アンタバン バ郡を中心に、カトリック祭祀である「
死者の日
」 および他界に関する語りについて調査を行って きた。アンタバンバでは死後、死者の霊魂はコロ プナ山の山頂にあるアヤワシ(死者の家)に行く と語られる。コロプナ山は隣県のアレキーパ県 に実在する、万年雪を戴く標高6377m の火山で ある。しかし、アンタバンバからは遠方にあるた め、その山嶺すらも見ることはできない。
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