比例代表制
の各種の計算の公式や方法はよく知られているが,なぜそのような方法をとるのかということは,必ずしも十分理解されていない。また各国がその国の実状に応じて,いろいろな方法をとっているが,それらの意味も考慮が足りないようである。これらの問題を検討した上で,日本でどんな方法を採用すべきか,考えるべきであろう。
筆者は以前ドント法の計算を,競り売りを例にして説明したが,それを補足し,他の方法についても,その意味を明らかにする。また普通,
比例代表制
の基数法と,割り算法は全く対立する方法のように扱われているが,実は同じ考え方にもとづくものであることを述べる。なおドント法とハーゲンバッハ•ビショフ法が同じ結果をもたらすことも,経験的には知られているが,その証明を見たことがないので,付け加えておく。
抄録全体を表示