私が初めて科学史の本を手にしてから50年以上の歳月がたち、今では科学史関係の書籍は数多く出版されるようになっているが、必ずしも良い本が版を重ねているとはいえない。資料として価値の高い本もそのうちに入手困難になり知られなくなってしまうことが多い。「科学史技術史事典」弘文堂の各項目末に参考書が挙げられてあって便利であるが、洋書だけの項目もあり邦文書の資料としては不備である。ここにあげる資料の選択に当たっては、高校物理の現場で取り上げられる可能性のある内容と人名を念頭においたので、哲学,数学,化学,天文,現代物理および一般科学史については僅少となり、また雑誌類も原典翻訳以外はほとんど除いた。私の所持していない資料については、季刊誌「科学史研究」岩波書店に掲載されている、科学技術史関係年次文献目録(1965年〜)を参考にした。
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