摂食嚥下リハビリテーション分野において用いられる電気刺激療法は,頚部への神経筋電気刺激療法や経皮的電気神経刺激療法が使用されてきた.神経筋電気刺激療法は舌骨上筋群の筋力低下や,舌骨・喉頭運動範囲制限,喉頭閉鎖不全,食道入口部開大時間の短縮,舌根後退運動の低下,咽頭収縮の低下を原因とする嚥下障害が対象となり,舌骨上筋群や甲状舌骨筋の筋力増強や神経筋再教育を目的に実施される.本稿では,神経筋電気刺激療法のエビデンスや禁忌事項,使用機器の種類や刺激条件を紹介したうえで,臨床で効果的に活用する具体的な方法とポイントにも触れ,今後の展望と課題を解説する.
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