近年,地域公共交通における運転手不足が深刻化しており,運転手の不足に伴う労働負担の増大が,運転手の離職を促し,更なる運転手不足を招く悪循環に陥っている.
そこで本研究では,運転手が充足定員の50%しか確保できておらず,運転手の労働負担増大と,路線バスのサービス低下に直面する実際の地域を対象として,バス運転手の労働時間を制約条件として,運転手の労働負担を軽減できる公共交通の運行計画を検討した.
検討は,バス運転手の労働時間軽減と,最低限必要と考えられる公共交通のサービスレベルを両立できる複数のシナリオを作成し,シナリオ分析及び重回帰分析を行った.
本研究の結果,路線バスの運行に従事するバス運転手の増員のみを行うよりも,バス運転手の増員と一部バス路線の撤退を組み合わせた方が,バス運転手の労働負担の軽減に効果が見られることが明らかとなった.
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