本研究は、石川県白山市の地域資源である
牛首紬
の普及を目的に、着物以外の産出としてのボディバッグに着目し、消費者の潜在ニーズの感性的な視点を探るためのデザインを行った。感性評価手法として写真評価共感法を用い、消費者の曖昧な感覚を具体的なデザイン要素に変換することで、
牛首紬
の現代的な活用方法を模索した。分析の結果、バッグAとBは日常使いに適した実用的なデザインとして高評価を得たが、バッグCとDは視覚的な魅力や親しみやすさの面で改良の余地があることが示された。これにより、地域資源として
牛首紬
を普及させるには、実用性と感性的な訴求力を兼ね備えたデザインが求められることがわかった。さらに、写真評価共感法は消費者ニーズの感性的な視点のデザイン意図を的確に捉える上で有効な手法であり、地域文化とファッションの融合を図るような感性を重要とするデザインを今後も進めていく意義を確認できた。
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