テレビ学校放送に関する効果研究は,昭和28年にわが国におけるテレビ放送が始まって以来,各領域にわたって行なわれているが,ここでは,昭和40年以降の研究について,次の5分野にわけて概観している.第1は,番組構成を変えたいくつかの試作番組を作り,それぞれの効果を検証しようと試みたものであり,第2は,並行型の利用を中心にテレビ利用形態と効果の関係を調べたものである.第3は,教師の指導法と効果との関係に関する研究で,第4は,いわゆる分断視聴を試みた研究である.そして第5としては,テレビと拡散思考に関する調査研究をまとめた.ほとんどの研究がテレビ視聴における教師の指導の重要性を指摘しているが,テレビ番組の多様多彩なことに比べて,研究のひろがりは十分とはいえず,今後に残された問題は多い.
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