研究の目的は,沖縄の小学校5・6年生の生活技能習得の現状把握とその習得理由を明らかにすることである。公立小学校9校の児童1,063人に対してアンケート調査を行った。結果は次の通りであった。(1)技能習得に関する質問60項目を因子分析し生活技能習得尺度を作成した。その結果「興味・関心因子」「食生活因子」「生活環境因子」「衣生活因子」が抽出された。(2)女子はすべての生活技能因子得点が同学年の男子に比較して高かった。(3)5・6年生を比較すると生活技能習得得点は,「食生活因子」「衣生活因子」は6年生が高く,「興味・関心因子」「生活環境因子」は5年生の方が高かった。(4)「生活環境因子」は,他因子に比較すると全体的に得点が低かった。(5)父親の家事参加の有無は児童の「興味・関心因子」「生活環境因子」得点を有意に高め,母親の就労の有無では,因子得点に差は無かった。(6)「家庭科が好き」「家族のため」「自分のため」「将来の職業に生かすため」「夫婦で助け合うため」「自分の子どもに教えるため」「ほめられたり認められたりするため」などの習得理由は,生活技能習得得点を高めていた。
抄録全体を表示