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クエリ検索: "産業保健法学研究会"
3件中 1-3の結果を表示しています
  • 三柴 丈典
    産業保健法学会誌
    2022年 1 巻 1 号 12-24
    発行日: 2022/07/10
    公開日: 2023/02/22
    ジャーナル フリー
    現在、産業保健の分野では、精神疾患や生活習慣病など、責任の所在の判定、適切な予防方法の解明が難しい問題が沢山起きている。病のせいか性格のせいかが不分明なトラブルも生じている。こうした問題を解決するためには、単に労使を対立させ、利害を調整するのみでは足りず、労使やその他の関係者(病院、リハビリ機関、家族など)を資源とみなし、それらの連携を図るための法制度を考案する必要もある。また、職域には、それ以外にも複雑なリスクが多くあり、増加傾向にあるが、労働安全衛生法は、その全てに対応できていない。そこで我々は、法の知識をベースとし、関係する多分野の学問の知恵を結集し、そうした課題の解決を図るための学究活動を行うこととした。 その最大の特徴は、問題解決志向と予防志向にある。従来の法学は、既に生じた紛争の事後的な解決を志向してきた。本学会は、そこで培われた知見を基礎とするものの、関係するさまざまな分野の知見を総合して、産業保健に関する法的な問題の解決と防止を図る。最先端の学問研究から、現場的課題についての実践的な議論までを誘う。教育活動では、産業医など産業保健の専門職への実践的な法教育を重視する。 この学会の創設には、厚生労働省をはじめとする多くの団体、個人の協力を得た。
  • 伊東 明雅
    産業保健法学会誌
    2022年 1 巻 1 号 258-263
    発行日: 2022/07/10
    公開日: 2023/02/22
    ジャーナル フリー
    先行研究において、社会保険労務士の多くが労働安全衛生における役割を重要と考えているにも関わらず、安全衛生業務を積極的に行うとする者は少なく、認識と実施意向の乖離が挙げられている。産業保健の主体は事業者であり自主的な活動が求められるが、事業者が健康管理体制構築の重要性や産業医の役割を理解していないことも多い。とくに中小規模事業場において、産業医と社会保険労務士が連携し、事業者の主体性を高める支援を行うことを模索する。
  • 産業保健法学の狙い~日本産業保健法学会の設立を控えて~
    三柴 丈典
    産業医学レビュー
    2020年 33 巻 2 号 83-
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/01
    解説誌・一般情報誌 オープンアクセス
    産業保健法学は、産業保健に関する問題の未然防止と事後解決に貢献する法律論のあり方と運用法を探究する新しい学際的な研究領域である。その必要性を象徴する好例として、近年生じた神奈川SR経営労務センター事件が挙げられる。おそらく、個性的に当該組織との相性が合わない労働者との間で軋轢が生じ、ハラスメントや適応障害などの問題に発展し、弁護士や精神科臨床に携わる産業医が関与してなお、4次にわたる訴訟に至っている。 こうした問題の未然防止や解決を図るには、既存の単独の専門分野の方法論では限界がある。法律論における事後的な紛争解決の蓄積や、再発防止策としての制定法(予防法)の立法技術などを素材としつつも、関係分野の知見を結集し、実効的な問題解決策を検討し、それを法に反映させる必要がある。ここでいう法には、国が策定する法令から、裁判例、個々の事業場で作成される規定、個別の労使関係における約束までを含む。また、産業保健の対象は、個人と組織という個性を持つ動態なので、法の策定と運用に際しても、母性的(支持的)なアプローチと父性的(秩序的)なアプローチなど、多角的なアプローチを継続的、手続的に図る視点が求められる。昨今、現場で生じている産業保健問題の多くは、最終的には、個人と組織の納得感の最大化や調整の問題に帰することが多いことによる。その意味でも、事業場ごとに策定される産業保健に関する規定は、一定の合理性を備え、個々の事業場の個性を踏まえていれば、産業保健問題の解決に貢献する可能性が高い。産業保健の領域で問題となり易い、労働者の健康情報等の取扱いに際しても、事業場ごとに、教条的でないルールを設け、適任な人物による人的管理体制を構築し、情報の保護と健康管理の両立を図る必要がある。
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