少子高齢化社会の時代にあって、家族や地域共同体の在り方が問われている。本研究は、家
族や親族からサポートを受けられない事例に見られる非家族・非親族世代間交流モデルと、家
族・親族世代間交流モデルにあるサポート事例を比較検討した。その結果、危機に遭遇した母
親支援の過程に、世代間交流コーディネート機能を担う「人」が存在することが分かった。また、
この危機を乗り越える回復力(Resilience)が、「人」の支援により促進する効果がうかがえた。
この「人」の存在を、サンチェス(2012)が述べる「家族内・外での対立や衝突」の「世代間援
助の維持」・「世代間衝突が及ぼす高齢者QOL と組織化への影響」に共通する調整の役割行為で
あると考え、この母親が危機を乗り越える過程と、コーディネート機能を果たす「人」の関係
を検討した。その結果、その「人」の働きがコーディネート機能に相当することが分かった。
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