御斎所竹貫変成岩からさきに見出した藍晶石の二つの産地のうち,竹貫付近の長光地産のものはその後今日まで誰からも追認されていなかったので,今回新たな産出を追加確認した。産地は竹貫南方大作で,長光地のものと嗣じ層準の珪線石黒雲母由雲母片麻岩からである。発見はこれまでと同様,川砂の予備調査から出発して,露頭の岩石の粉砕・混酸処理による耐酸重鉱物残渣中からの検出,そして薄片からの確認の順によった。薄片中の藍晶石は残晶状で常に斜長石中に包まれて産し,同じ薄片中に多量に含まれる珪線石とは決して密接して共生しない。藍晶石の見出された薄片は2枚あり,うち1枚には16個の藍晶石粒が含まれる。これはいわば“駄
目押し
”の追認である。
抄録全体を表示