本研究は,ICカードデータを活用した交通マーケティング手法を検討するために,ICカードデータから取得した公共交通利用履歴を用いて,利用者の日々の公共交通利用パターンを分析する.具体的には,高知市を中心に運行されている路面電車とバスの利用者に対して時間的・空間的トリップパターン依存度を定義し,日々同じ時間帯に同じバス/電停を利用しているかを確認するものである.分析の結果,1ヶ月間で日々同じ時間帯・バス/電停の利用を繰り返す利用者は少なく,多くの利用者は日々異なる行動をしていることが分かった.また,時間的・空間的トリップパターン依存度とその他ICカードデータから得られる利用者の情報を用いてクラスター分析を定期券の有無別に行い,非定期利用者と定期利用者のトリップ特性の違いを把握した.
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