2013 年 69 巻 5 号 p. I_725-I_734
本研究では,地方都市における公共交通再編の検討に資するためのICカードデータを用いた乗り継ぎ結節点の評価手法を提案する.具体的には,高知市中心部の公共交通機関(路面電車,バス)で利用可能なICカードから得られる利用者の乗り継ぎ履歴データを用いて,乗り継ぎ時間および乗り継ぎトリップ数などの利用実態把握を行う.更に,複数の指標を加味することが可能な包絡分析法(DEA手法)を用いた乗り継ぎ効率性の評価を時間帯と利用者の年齢を考慮して行うものである.その結果,同じ乗り継ぎ結節点においても時間帯,年代ごとに効率性が異なることがわかり,乗り継ぎに対する各乗り継ぎ結節点の特性を複数指標の効率値から把握することの必要性を把握した.