(2R)-4'-O-Tetrahydropyranyladriamycin (THPと略記) は, 梅沢ら1)により発見された新規なアントラサイクリン系抗腫瘍性抗生物質であり, Doxorubicin (Adriamycin, ADMと略記) の4, 位に酸素原子を介してテトラヒドロピラニル基を導入したADMの新規な誘導体である。
THPは各種実験腫瘍においてADMより優れた効果1, 2)を示し, 又, ハムスターにおいて心毒性が低いことが報告されている3)。
THPの生体内動態についてはすでにマウス4), ウサギ5), イヌ6)等における実験結果が報告されている。
今回著者等は,
14Cで標識したTHPを用い, ラットにおけるTHPの体内動態について検討したので報告する。
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