1959年に初めて累進屈折力レンズが登場して以来,レンズ設計・加工技術はめざましい発展を遂げてきた。特筆すべきは,1997年の内面累進屈折力レンズの登場で,これを機にレンズ設計・加工に関する概念が大きく変わった。注文を受けてから1枚ずつ最適な光学設計をし,モールドを用いない自由曲面を創成する技術は,現在のインディビジュアルレンズへと受け継がれている。装用状態で最適な光学性能を目指したインディビジュアルレンズは,これをレンズメータで測定すると処方屈折力と異なる値となる場合がある。眼鏡の性能を十分に発揮させるには,眼科医・視能訓練士・
眼鏡作製技能士
・眼鏡販売店・眼鏡レンズメーカー・眼鏡機器メーカーなどの眼鏡に関わる方々が新しい累進屈折力レンズの技術的背景知識を共有し,役割を適切に分担することが重要である。
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