観光資源を適確に評価することは,観光資源の保護育成エリアの確保,魅力ある観光ルートの形成,入込み観光客の需要予測などを決めていく観光地計画上,大切な要件である.本論は論理性,汎用性,操作性の観点から,より有効な尺度を關発することによって,精度の高い観光資源の評価を確立していこうとするものである.
作業はまず392観光資源と14尺度から因子分析を行ない,5尺度を抽出した.次に,観光関係の仕事に精通している専門家による392観光資源の評価ランクを外生変数, 5尺度別の観光資源の評価を説明変数として,数量化II類の判別モデルを適用した.その結果,観光資源をランク付けする判別力の大きい尺度は,「規模」「構図」「ローカリティ」の順になり,「格付け」「色」は比較的影響力の小さい尺度あった.各ランクを判別する適中率は,いずれも79~81%の間に収まっている.
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