リボン状にしたH形の陽イオン交換樹脂膜にルビジウムイオンをプレークスルー法で等速電気泳動させて樹脂膜内でのルビジウムイオンの泳動挙動をしらべるとともに,
85Rb~
87Rbの同位体分別効果の検討を行なった。
先行イオンとして水素イオン,後続イオンをルビジウムイオンとしたブレークスルー法においては5,25,50℃で理想的な等速泳動が観察された。この実験系で求められた拡散係数は5,25,50,70℃において,それぞれ2.4×10
-6,3.5×10
-6,4.9×10
-6,6.9×10
-6cm2/Sであったe
また,
85Rbと
87Rbからなる天然組成比のルビジウムイオンを泳動させると,いずれの温度においでもRb帯先端に近いところで
85Rbの濃縮がみられた。同位体分離効果εvは5,25,50,70℃ において,それぞれ0.77×10
-3,0.85×10
-3,1.1×1010
-3,1.4×10
-3であり,温度が大となるにしたがって大となる。この傾向は炉紙を支持体として得られたBonninらの報告と一致する。
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