工業化学雑誌
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高圧下の硝酸カリウムの示差熱分析
斎藤 進六福長 脩山岡 信夫尾崎 義治
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1966 年 69 巻 9 号 p. 1701-1704

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抄録

高圧下のDTAによって45kb,600℃までの硝酸カリウム(KNO3)の状態図を研究した。用いた装置は単段式ピストンシリンダー型である。DTAのためのケネディプレスの改良,試料内の圧力測定,高圧下の温度測定等の問題について論じた。KNO3の新しい変態であるV,VI,VII相が確認された。
(1)ケネディプレスの副ラムを下方に移してスペーサーの取付けを容易にし,熱電対導線の切断に対する方策について述べた。
(2)Bi,Tlの電気抵抗変化を用いてタルク-塩化銀セルの圧力測定を行なった。室温基準の補正曲線はP=0.97 L-4.7(kb)が適当である。
(3)アルメル-クロメル熱電対の圧力による起電力補正は31kb,600℃で20℃程度と推定された。
(4)14kb以上のKNO3の状態図はBridgmanの提出した硝酸セシウム(CsNO3),硝酸タリウム(I)(TINO3),硝酸ルビジウム(RbNO3)の状態図と類似する。

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