アモルファス磁性膜のホログラフィへの応用に関する研究があるが, その記録再生特性の向上に関する研究はあまり見られない.本論文では, アモルファス膜上に作られたホログラムの回折効率および記録マージン特性の向上について検討した.このとき, 光強度分布を均一化したレーザ光をホログラムの記録に用いた.均一化レーザ光を用いた場合, ホログラム記録可能なエネルギー範囲は均一化しない場合よりも2倍以上広くできることがわかった.この理由を明らかにするため膜内の熱伝導解析を行った.また, 回折効率は均一でない場合と比べて1.2倍程度向上できた.一方, 均一化レーザ光を用いてアモルファス膜上に作成した図形のホログラムの再生を行ったところ質の良い再生像が得られ, 本方法はホログラムの熱磁気記録に有用であることが明らかとなった.さらに, 2重露光ホログラムを作成することができ, 多重記録についての知見も得られた.
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