本研究では、冬期暖房時における空調設備からの気流や発生音の違いが執務者の作業効率に与える影響を調査するために、空気式放射空調と対流空調が設置されている実験室を用いて 8 名の男性被験者による実験を行った。本実験では空調設備及び運転状態を変化させ、温度・気流・発生音の異なる 6 条件を設定し、心理申告と計算・レシート分類の模擬作業を実施した。空調設備からの気流及び発生音の違いは被験者に認識されていたが、気流に関しては気流快適感に有意差がみられなかった。また、発生音は音快適感をやや低下させる結果となった。22°C環境においては、吹き出し風量を低減し発生音を小さくして運転した空気式放射空調が、対流空調に比べて計算の解答数が有意に多い傾向がみられた。正答率は計算・レシート分類ともに同じ温度条件間では有意差がみられなかった。
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