イオン性界面活性剤を用いて, 液相処理を施した炭酸カルシウム, 炭酸バリウム, 硫酸バリウム, 酸化チタン, 無水珪酸等についてゴム充填剤としての効果を検討する為に, 常法通リゴム配合試験を行った. 即ち, 未処理粉体, 処理粉体を以てゴム試験片を作り, その抗張力, 伸長率, 硬度を測定し, これら物理性状と粉体の分散性との相関々係を考察した. 特に, 炭酸カルシウムについては, 前報より詳細に, 処理剤の種別及び量を比較した.
その結果, 各粉体が, 表面疎水性化されると, ゴムへの分散性が, 向上することを認めた. 尚, 粉体に対する活性剤の量に関して本報告では, 炭酸カルシウムを除いて, 2%使用しているが, 炭酸カルシウムの疎水性化臨界比率は, 0.5%であり, この時, 最大抗張力を示しているから, 実際には, 2%以下の量, 例えば, 炭酸バリウムでは0.2~0.6%, 硫酸バリウムでは0.3~0.4%, 酸化チタンでは0.5%, 無水珪酸では0.7%以上で疎水性化されることと考え合せ, 活性剤の使用量は, 2%以上で最大抗張力を出すことが出来ると考えられる. 又, 凡べての粉体について, 抗張力と伸長率との相関性が, 処理した活性成分の電荷に関係していることは, 興味のある問題である.
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