労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)は, 現在多くの企業や事業場において導入されているが, 導入の検討段階にある事業場や当面導入する予定のない事業場も少なくない. また, OSHMSを実施している事業場においても, 衛生・健康面に対する取組みは弱い. 本報では, OSHMSが我が国に導入された経緯とOSHMSの基本的な進め方について概説し, OSHMSが多くの企業に普及し実効ある成果をあげるために, 検討すべき課題と今後の展望について述べる. ここで示す課題は, リスクアセスメント, 法体系の整備, システム監査, 安全衛生の個人管理, 低濃度曝露影響の評価, 適正配置システム, 人材の養成, 支援体制の整備, 中小規模事業場への対応である.
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