精油
の分析は従来,化学的方法,分画蒸留法,各種誘導体の分別確認法などによって行なわれていたが,いずれの方法も満足なものとはいえなかった.それは
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がたいてい多数の化合物の混合物としてえられるために各成分の分離分析が困難であることと,
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には,たとえ微量であっても,香料としては重要な成分がしばしばふくまれていて,その分析が必要となるからである.しかし,最近の各種クロマトグラフ法,赤外,ラマンスペクトルなどによるスペクトル法,ポーラロラフグおよび質量分析法などの分離手段および機器分析技術の急速な進歩により困難な
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分析の問題も,しだいに解決されつつある.特に1957年になってはじめて
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分析の分野にもとり入れられたガスクロマトグラフ法は,その後,著しい成果をあげ,今後ますます多様な目的に応用され,テルペン化学の進歩に寄与するであろうことは疑問の余地がない.この間の消息については,すでに1956~1958年に発表された報告にもとずいてくわしい総説がなされている.なお
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分析の公定法として,英国法,米国法についての報告がある.
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