授業実践の質を向上させ、子どもたちに確かな基礎学力を保障する手立てとして、「グループ学習」の方法論がいかなる有効性と課題とを持ち、実践されているのかを、全国の小中学校教師(約2,100)名を対象とした実態調査から明らかにした。主な知見は次の通りである。(1)中学校教師よりも小学校教師の方が、グループ学習の技法を用いる傾向が強い。(2)しかしながら、小学校、中学校の教師のいずれも、グループを編成しこれに基づいた学習を滞りなく進めるための「手続き」や「形式」に係る技法のみを重視する傾向が見られた。(3)グループ学習の活動を振り返らせたり、評価したりする技法については未だ充分に習熟していない傾向が見られた。(4)グループ学習に対する教師のイメージは「懐疑因子」「肯定因子」「相対視因子」の三因子からなり、校種、経験年数及び担当教科等によってそのイメージが大きく異なっていることが明らかとなった。
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