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835件中 1-20の結果を表示しています
  • 川田 尚吾, 井戸 尚則, 丸山 邦彦, 小林 大記, 大川 裕行
    理学療法学Supplement
    2010年 2009 巻 P1-104
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    脊髄損傷者における起立性低血圧(以下OH)の発生頻度は高く,これは社会復帰までの道のりの中でリハ治療初期に克服しなければならない症状である.このような循環調節機能の障害によって生じるOHを予防するために,
    腹帯
    や下肢緊迫帯などが用いられており,その有用性が述べられている.
    OHに対する
    腹帯
    の効果に関する報告は多数存在するが,その適正圧に関しては明確にされていない.そこで本研究の目的は,健常者と頚損者を対象に起立負荷試験を行い,OH予防に適切な
    腹帯
    圧を検討することである.
    【方法】
    対象者は,若年健常男性6名(年齢;21.3±1.0歳,身長;171.3±4.5cm,体重;64.9±7.6kg),C6頚髄損傷男性2名(年齢;29.5±7.8歳,身長;172.4±4.2cm,体重;50.9±2.2kg,Frankel分類;A)とした.被験者の腹部に非伸縮性腰椎軟性コルセットと水銀血圧計マンシェットを装着し,水銀柱の変化を
    腹帯
    圧の指標とした.
    腹帯
    圧は加圧なし,20mmHg,40mmHg,60mmHgとし,それらをランダムに設定した.手順は,ティルトテーブル上背臥位で十分な安静の後,安静5分,起立10分,安静5分の起立負荷試験を行った.全期間を通じて平均血圧(MBP),心拍出量(CO),一回拍出量(SV),心拍数(HR)を1分毎に連続的に測定した.起立負荷は手動で瞬時に60°まで設定した.併せて,Borg’s Scaleを用いて
    腹帯
    の主観的装着感を聴取した.
    【説明と同意】
    本研究を行うに当り,全ての被験者には実験の目的,方法,実施上の危険性を文書と口頭により十分に説明し,同意を得た上で測定を行った.なお,本研究は星城大学倫理委員会の審査のもとに実施した.
    【結果】
    健常者ではMBPは,安静時と比較して起立後3分までに有意な低下を認めた(p<0.05).しかし,
    腹帯
    圧の相違による一定の傾向は見られなかった.COは,安静時と比較して
    腹帯
    圧の有無,強弱による相違は認められず,各条件で安静時の値が維持されていた.SVは,安静時と比較して起立1分後以降有意な低下を認めた(p<0.05).安静時と比較し,
    腹帯
    加圧なしが最も低値を示した.
    腹帯
    圧40mmHgで起立後3分,5分,6分,10分に認められたSVの低下は,
    腹帯
    加圧なしと比較して有意な差が認められた(p<0.05).HRは,SVの低下が大きい順に上昇したが,安静時と比較して起立後1分から7分の間に,
    腹帯
    圧40mmHgでのみ有意な上昇を認めなかった.
    腹帯
    の主観的装着感を表すBorg’s Scaleは,
    腹帯
    圧の増加に伴い,不快感が増加する傾向を認めたが,
    腹帯
    圧20mmHgと40mmHgでは同程度であり,
    腹帯
    圧60mmHgでは著明であった.
    頚損者では
    腹帯
    加圧なしでのMBPとSVは,起立直後から急激に低下し,その後も低値を示し続けた.特に,1名の頚損者の血圧は起立後7分以降測定できず,10分間の起立負荷に耐える事ができなかった.しかし,
    腹帯
    装着によってMBPとSVの起立時の急激な低下は抑制され,2名とも10分間の起立負荷に耐える事が可能となった.
    【考察】
    健常者では重力負荷に対して血圧を一定に維持しようとする調節系が働くため,OHは起こさない.健常者のMBPにおいて,安静時と比較して起立3分までに有意な低下を示したが,
    腹帯
    圧の強弱による一定の傾向は見られなかった.健常者では血圧の調節に総末梢血管抵抗が大きな影響を与えるが,今回はその影響を測定できていないため,
    腹帯
    圧の相違が与える影響をMBPの変化から説明することは困難である.COは,SVとHRの積で求められる.健常者では重力負荷に対するSVの低下をHRで補正するため,結果としてCOは維持される.今回の結果からも
    腹帯
    圧の強弱によるCOの変化には一定の傾向を示さなかった.一方,起立負荷に対するSVの結果より,
    腹帯加圧なしに比べ腹帯
    圧40mmHgでは起立負荷に伴うSVの低下が有意に抑制されていることが明らかになった.また,起立負荷に対するHRの変化も,
    腹帯
    圧40mmHgでのみ有意な変化を示さなかった.SVの低下は即時的に圧受容器反射を引き起こし,HRを増加させることでCOを維持する.これらは,腹部臓器への血液貯留を軽減させ,起立時循環血液量低下を軽減させるという
    腹帯の効果が腹帯
    圧40mmHgで最大となる事を示唆している.また,
    腹帯
    圧40mmHgの装着感は,
    腹帯
    圧20mmHgと同程度の主観的装着感であった.
    腹帯
    圧40mmHgであれば,被験者に不快感を与えることなく装着可能と判断できる.
    【理学療法学研究としての意義】
    OHに対する
    腹帯
    の適正圧について検討した.健常者の結果から
    腹帯
    圧40mmHgではその他の3群に比べ起立に伴う静脈環流量の低下を抑え,CO維持のためのHR増加を抑えることができた.よって,
    腹帯
    圧40mmHgが最もOH予防に最も適した圧であると考える.また,2名の頚損者の結果から
    腹帯
    装着により起立時血圧低下を防ぐことが出来ることが確認された.
  • 溝淵 忠雄
    医科器械学雑誌
    1924年 2 巻 5 号 282-285
    発行日: 1924/11/20
    公開日: 2019/05/15
    ジャーナル フリー
  • 則竹 賢人, 佐藤 貴之, 宮本 将典, 吉川 博展, 安倍 基幸
    理学療法学Supplement
    2011年 2010 巻 OS3-007
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/05/26
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    腹帯
    装着により廃用症候群や脊髄損傷者での起立性低血圧に有効なことは多くの文献で報告されている。
    腹帯
    や弾性包帯の効果は重力により下方に移動する血液量を減少させること、また抗重力位になることにより減少した静脈還流量を維持させるということが考えられている。しかし、起立時に下肢・腹部の静脈血行動態に対して詳細に述べている文献は少なく、臥位での下肢静脈の血流速度や血管径の測定がほとんどであり、
    腹帯
    装着や弾性包帯を用いての静脈の血行動態に関しての報告はない。
    以上の背景より、今回は容易に装着のでき臨床現場で使用されている
    腹帯
    を選択し、血圧・心拍数の測定に加えて、エコー・パルスドプラ法とBモードで総大腿静脈及び下大静脈を測定し、下肢・腹部の静脈の血行動態を検討した。
    【方法】
    対象は若年健常男性10名(平均年齢21.7±1.0歳)である。
    測定手順はTilt table上で、背臥位にて十分な安静後に臥位安静3分、起立(Head Up Tilt:以下HUT:起立角度60°)7分、臥位回復3分と設定した。
    腹帯
    未装着時と装着時の2条件で同一の手順で行った。
    腹帯
    圧の設定は体圧測定器セロ(ケープ社製)を用いて20mmHgとした。
    腹帯
    は腰仙椎軟性コルセットを用いた。
    測定項目は血圧、心拍数、右総大腿静脈の平均血流速度、断面積、平均血流量、下大静脈の断面積である。血圧、心拍数は電子非観血式血圧計を用い測定した。右総大腿静脈の平均血流速度はパルスドプラ法より得て、直径より断面積を計算し分時血流量(平均血流速度と断面積の積)を求めた。下大静脈の直径はセクタープローブを用い胸骨下アプローチで肝静脈遠位の定位置でBモードより求めた。エコー機器は東芝製Xarioを用いた。以上の計測は1分毎に行った。下大静脈評価のみ臥位安静時とHUT時の2回を計測した。統計処理は二元配置分散分析及び、Tukey-Kramer法を用い、危険率を5%未満として2条件で比較検討した。
    【説明と同意】
    この研究は大学・研究倫理審査委員会より承認されたものであり、測定に先立ち、全ての対象者に研究の目的、方法を文書で説明し、同意を得た。
    【結果】
    腹帯装着では腹帯
    未装着と比較すると平均血圧は有意に高値を示したのに対し、心拍数は有意に低下した。右総大腿静脈の平均血流速度はHUT時には2条件ともにほぼ0となり、臥位安静、臥位回復時には
    腹帯
    装着では低下傾向を示した。右総大腿静脈の断面積は2条件で有意差は無いが
    腹帯
    装着により臥位時で増加傾向であった。HUT時には2条件ともに有意な差が無く拡大した。右大腿静脈血流量は2条件で有意差は無かったが
    腹帯
    装着により減少傾向であった。HUT時に有意差は無く2条件とも大きく低下した。
    下大静脈断面積は安静時
    腹帯
    未装着を基準にすると安静時
    腹帯
    装着とHUT時
    腹帯
    未装着は有意な減少が見られ、一方、HUT時
    腹帯
    装着では有意に断面積減少は少なかった。
    【考察】
    今回の結果から
    腹帯装着は腹帯
    未装着と比較しHUT時では平均血圧の上昇、心拍数の上昇の抑制により
    腹帯
    装着の効果を認めた。
    右総大腿静脈の平均血流速度、断面積の増加傾向、血流量の減少傾向は2条件ともHUT時では変化はなく下肢における血液貯留が
    腹帯
    の有無にかかわらず影響は同様と思われる。臥位時での
    腹帯
    装着は下肢からの静脈還流を抑制しているものの血圧・心拍数に影響を与えない程度と考えられる。一方、下肢に血液が貯留しやすいHUT時では
    腹帯
    装着により、下大静脈の断面積は
    腹帯
    装着で維持されており、右心房に還流する血液が明らかに多いと推測される。安静立位時におよそ1~3&#8467;の血液が貯留しているとされる腹部臓器からの静脈還流量の維持、増加が
    腹帯
    装着によりなされたものと考える。
    今回は自律神経機能の検査は行わなかったが
    腹帯
    装着による交感神経緊張の関与も当然あり得るものと考えている。
    【理学療法学研究としての意義】
    本研究の結果から
    腹帯
    装着に血圧・心拍数に影響を与えた。
    腹帯
    装着により下肢に血液が貯留しやすくなることが予測できるが、腹部臓器からの静脈還流量を増加させるという従来指摘されてきたことを、定量的に示した基礎的なデータとして意義がある。
  • 運動学的視点から
    天尾 早代, 大町 かおり, 黒野 智子
    理学療法学Supplement
    2010年 2009 巻 P3-247
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】妊娠によって腰痛を発症する女性が多いと言われている。本研究の目的は,健常若年女性を対象に,妊娠中期を想定した妊婦体験装具を装着した際の
    腹帯
    が静的姿勢制御に与える影響を検討することである。

    【方法】対象者は,腰部に整形外科的既往を有さない本学リハビリテーション学部所属の女子学生25名(年齢20.6±0.9歳,身長159.7±4.8cm,体重52.4±5.9Kg,足長23.8±0.7cm)であった。
    測定条件は,両脚,片脚での自然立位(以下control),妊婦体験装具(3,6kg)のみ装着(以下
    腹帯
    なし),妊婦体験装具および
    腹帯
    の装着(以下
    腹帯
    あり)の3条件とした。はじめにcontrolを測定し,その後
    腹帯なしと腹帯
    ありの2条件をくじによりランダムに決め,測定の順番を決定した。測定課題は,両脚および片脚での1分間の立位保持とした。測定項目は,立位時の重心動揺として重心位置,総軌跡長(以下Sp),矩形面積(以下Sq)を,下肢荷重計(アニマ社製G-620)により測定した。矢状面からの立位姿勢として,マーカーを肩峰,大腿骨頭(ASISと大腿骨大転子を結ぶ直線の遠位1/3の位置) ,膝関節裂隙の高さで膝蓋骨の厚さを除く膝関節前後径の中点,腓骨外果最大膨隆部,第5中足骨頭の左右計10ヶ所に貼付し,デジタルカメラ(SONY社製cyber shot)にて撮影し,後ほど体幹,股関節,膝関節,足関節の角度を計測した。
    解析は,SPSS16.0を使用し,全ての測定項目において,一元配置分散分析を行い,その後の検定では多重比較検定のScheffe法を用いた。有意水準は危険率5%未満とした。

    【説明と同意】すべての対象者に対して本研究の趣旨と内容を説明し,書面にて参加の同意を得た上で実施した。

    【結果】両脚立位時,3条件とも平均重心位置は,足長を100%とし踵部を0%とした際の約38%の位置にあり,前方には約44%,後方には約34%の位置まで移動し,その移動範囲は10%前後,Spは42~43cm,Sqは両脚立位で3~4cm2であった。同様に,片脚立位時,3条件とも平均重心位置は約47%,前方には約58%,後方には約36%,移動範囲は22%前後,Spは204~207cm,Sqは15~17 cm2で,どちらの姿勢でも3条件間に有意な差を認めなかった。
    両脚立位時,体幹伸展角度はcontrolで3.4±2.8度,
    腹帯
    なし6.8±3.1度,
    腹帯
    あり6.6±3.1度であり,controlよりも
    腹帯ありと腹帯
    なしの際に有意に伸展し(p<0.05),
    腹帯なしと腹帯
    ありの間では有意な差を認めなかった。また片脚立位時は,controlで3.8±4.0度,
    腹帯
    なし6.8±3.4度,
    腹帯
    あり6.5±3.9度であり,controlよりも
    腹帯
    なしで有意に伸展し(p<0.05),controlと
    腹帯
    あり,
    腹帯なしと腹帯
    ありの間では有意な差を認めなかった。

    【考察】今回,両脚立位,片脚立位ともに重心位置においては3条件間に差は認められなかったが,両脚立位時,妊婦体験装具の装着により体幹が伸展した。体幹伸展角度の増加は,腰椎の前彎を増強すると推測でき,腹部の重さの増加に伴う体幹屈曲モーメントの増加に対する姿勢戦略であると考えられた。また,重心位置に関して両脚および片脚立位3条件ともにばらつきが大きく,立位姿勢保持の戦略は個人によって異っていたと考えられた。つまり,立位姿勢保持の戦略は個人によって異なっていた中で,妊娠による腹部の重みの増加に対しては共通して体幹の伸展がみられたということから,腰痛が引き起こされる可能性の確率の高さがうかがえた。
    さらに今回,片脚立位時の体幹伸展角度の結果から,
    腹帯
    の有無が姿勢に影響していると思われたが,
    腹帯ありと腹帯
    なしの2条件間で差がないこと,両脚立位時に,
    腹帯
    の有無により体幹伸展角度に差がないこと,重心位置においていずれの立位姿勢でも3条件間に差がないことから,
    腹帯
    には腰痛を予防する効果が認められないと考えられた。

    【理学療法学研究としての意義】妊娠により,女性は身体が大きく変化する。中でも姿勢の変化は妊娠経過に伴う必然的なものであり,それを予防することは困難である。また,むかしから日本では,風習という形で
    腹帯
    が用いられている。妊婦に広く普及している
    腹帯
    の効果について運動学的に検討した。
    腹帯
    が静的姿勢制御に与える運動学的効果が認められなかったが,今後,理学療法士としての介入が必要と思われる、妊婦の腰痛予防に対し、効果的な
    腹帯
    の開発の基礎資料を提示する意味で有意義であると考えた。
  • 錦本 哲郎, 有藤 孝治, 有田 浩之, 杉田 孝
    理学療法学Supplement
    1990年 1990.17.1 巻
    発行日: 1990/03/31
    公開日: 2017/07/07
    会議録・要旨集 フリー
  • 冨田 正道
    日本消化機病学会雑誌
    1941年 40 巻 4 号 181-205
    発行日: 1941/04/15
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 江口 周司, 山口 拓明, 大川 裕, 下田 幸夫, 森 信孝, 勝田 辰彦
    理学療法学Supplement
    1994年 1994.21.2 巻
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2017/07/24
    会議録・要旨集 フリー
  • 神経難病患者家族への呼吸ケア指導にむけて(第一報)
    芝崎 伸彦, 高木 恭平, 中畑 美咲, 今井 哲也, 望月 久
    理学療法学Supplement
    2013年 2012 巻 B-O-15
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/20
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに、目的】神経難病患者の呼吸ケアの一環として咳嗽介助があるが、在宅療養などを考えると、理学療法士(以下PT)による咳嗽介助だけでなく、家族などの身近な介助者も施行できることが望ましい。介助者に咳嗽介助の指導を行う場合、PTと比較してどの程度有効に咳嗽を介助できるか、どのような相違があるのかを把握しておくことは有用である。本研究では、一般成人および咳嗽介助未経験のPTに対して咳嗽介助指導を実施後、健常者を対象に咳嗽介助を行い、最大呼気流速の測定と被咳嗽介助者へのアンケート調査を実施し、患者家族への咳嗽介助指導に対する知見を得ることを目的とした。【方法】咳嗽介助未経験の健常者7名(事務職員等、27.1±1.3歳;非PT群)とPT7名(28.4±5.4歳;PT群)に対して咳嗽指導を行った。咳嗽介助方法は先行研究で効果があったとされる
    腹帯
    を巻き胸郭を介助する方法を採用し、呼吸療法認定士をもつ理学療法士(1名)が10~15分程度の実技指導を行った。咳嗽介助方法指導後、健常な被咳嗽介助者2名(I:24歳、Ⅱ:24歳)に対して咳嗽介助を行い、咳嗽介助前と咳介助時の最大呼気流速(以下PCF)を比較した。咳嗽介助の姿勢は背臥位とした。PCFの測定にはPeak Flow Meter(米国レスピロニクス社製ASSESS Full Range型)を使用し、(1)介助なし、(2)
    腹帯
    着用、(3)徒手による胸郭圧迫+
    腹帯
    着用の順で、各々で3回した。最大値を代表値として、PT群と非PT群間でt検定を用いて比較検討した。被咳嗽介助者2名について、咳嗽介助時の胸郭圧迫に対する心地よさを5件法(1:不快である・2:やや不快・3:どちらでもない・4:やや心地よい・5:心地よい)でアンケート調査した。胸部圧迫に対する心地よさは、Mann-WhitneyのU検定を用いて群間比較を行った。【倫理的配慮、説明と同意】対象者および術者には本研究の趣旨を十分に説明し同意を得た。また本研究は狭山神経内科病院倫理委員会の了承を得ている。【結果】被咳嗽介助者1のPCFおいては、PT群と非PT群の全体で介助なし(524±74 L/min)から
    腹帯
    着用(520±85 L/min)との間には有意差を認めなかったが、徒手的胸郭圧迫+
    腹帯
    着用(595±76 L/min)と介助なし、および徒手的胸郭圧迫+
    腹帯着用と腹帯
    着用との間に有意差を認めた。PT群の徒手的胸郭圧迫+
    腹帯
    着用のPCFは570±100 L/min(対介助なし群との比1.12±0.16倍)、非PT群は621±28 L/min(1.18±0.16倍)であり、平均値ではPT群の方が低いが有意差は認めなかった。被咳嗽介助者Ⅱにおいても、PT群と非PT群全体で介助なし(676±59 L/min)と
    腹帯
    着用(672.1±114.4 L/min)の間には有意差を認めなかったが、徒手的胸郭圧迫+
    腹帯
    着用(757±91 L/min)と介助なし、および徒手的胸郭圧迫+
    腹帯着用と腹帯
    着用との間に有意差を認めた。PT群の徒手的胸郭圧迫と
    腹帯
    着用のPCFは776±94 L/min(1.14±0.05倍)、非PT群は739±90 L/min(1.10±0.14倍)であり、PT群の方が高いが有意差は認めなかった。しかし心地よさではPT群4.0±0.8、非PT群2.6±1.3となり有意な差を認めた。【考察】被咳嗽介助者2名ともに、各条件におけるPCFは同様の傾向を示していた。
    腹帯
    のみの場合にPCFに変化がなかった理由としては、健常者では腹圧を補う必要がないことや、
    腹帯
    による腹部圧迫に起因する吸気量の減少が考えられる。徒手的胸郭圧迫によりPCFが増加したことは、咳嗽介助の施行経験がなくても10~15分程度の指導により、PCFを増加させる手技が修得でき得ることを示唆する。さらに、PT群と非PT群で咳嗽介助時のPCFに有意差がないことは、患者家族のような一般人であっても、指導によってPTと同程度の咳嗽介助が可能なことを示唆する。しかし、PT群と非PT群ではPT群の方が有意に心地よいという結果であり、知識と経験による技術の差によるものと考えられる。胸郭圧迫による不快感は、患者の治療手技への受け入れだけでなく、圧迫時の肋骨骨折などのリスクにもつながる可能性がある。患者家族に咳嗽介助を指導する際は、これらの点にも注意して適切な指導を実施する必要がある。【理学療法学研究としての意義】本研究結果から咳嗽介助を施行した経験のない一般人でも、咳嗽介助を指導することで咳嗽力の指標であるPCFを増加させることができることが確認できた。このことは適切な指導が実施できれば患者家族による咳嗽介助が可能になり、よりよい在宅療養につながることを示唆している。また、本研究結果から、咳嗽介助法の指導にはPCFの増加以外の考慮すべき要素もあることが分かり、咳嗽介助法の指導の改善の一助となると思われる。
  • 高橋 のり子
    理学療法学Supplement
    1987年 1987.14.1 巻
    発行日: 1987/03/15
    公開日: 2017/07/05
    会議録・要旨集 フリー
  • ─神経難病患者家族への呼吸ケア指導に向けて─
    芝﨑 伸彦, 今井 哲也, 高木 恭平, 中畑 美咲, 沼山 貴也, 望月 久
    理学療法科学
    2015年 30 巻 1 号 7-10
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本稿では一般成人と理学療法士の咳嗽介助効果を比較した.〔対象〕事務職員7名(非PT群)と理学療法士7名(PT群)を咳嗽介助者とし,健常者2名を被咳嗽介助者とした.〔方法〕咳嗽介助者に咳嗽指導を実施後,咳嗽介助なし,
    腹帯
    着用,
    腹帯
    着用および徒手胸郭圧迫(圧迫)の3条件下で咳嗽を行い,咳嗽時の最大呼気流速(PCF)と咳嗽介助時の被介助感を測定した.〔結果〕被咳嗽介助者2名のPCFは,圧迫と他2条件との間に有意差を認めた.圧迫のPCFは非PT群とPT群の間で有意差を認めなかった.被介助感はPT群が有意に心地よいという結果だった.〔結語〕一般成人も理学療法士と同程度にPCFを増加させることが確認された.この結果は患者の家族や介護者も,適切な指導で有効な咳嗽介助が可能になることを示唆している.
  • 長谷川 和治, 林 茂, 赤崎 幸二, 森本 敬三, 浅山 滉
    整形外科と災害外科
    1978年 27 巻 1 号 52-55
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    Investigations were made on the admitted patients with complete quadriplegics while patients were on supine and on elevated position with and without applying abdominal bandage respectively.
    Clinical data including blood pressure, puls rate, respiratory rate, blood gass analysis were examined on each condition.
    The data showed tachycardia, hyperventilation, marked hypotension, increased PO2 and decreased PCO2 on the patients standing without abdominal bandage as compared with patients on lying position. The data of patients applying abdominal bandage were in between them.
    The results suggest there may be some regulation to enhance more efficient gaseous exchange other than decreasing vascular resistance to maintain circulatory volume in the brain of these patients who can remain in consciousness during marked hypotension.
  • 羽場 俊広, 工藤 真大, 岩月 宏泰
    理学療法学Supplement
    2010年 2009 巻 O2-021
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】豪雪地帯の生活者にとって除雪動作は家屋の倒壊,生活の道を確保する上で欠かせない.従来から,この動作を補助するための器具としてスコップ,スノーダンプなどがあり,毎年耐久性の向上,軽量化を図るために材質や形状を変えたものが販売されている.しかし,何れの器具も数kgの雪塊,湿った雪の運搬,移動,投棄に使用されるものであり,これらの動作は肩関節,腰背部,下肢の諸関節や筋肉に過度の負担を強いる結果となっている.そこで,本研究では
    腹帯
    を着用して行う除雪動作の効果を筋活動及び呼吸応答の視点から検討を行うことを目的とした.


    【方法】対象は腰痛,整形外科的疾患及び運動を禁止されるような呼吸循環系の異常を有しない健常者10名であった.方法は除雪動作に用いられるスコップ(重量1kg)を使用して,3kgの砂袋を高さ70cmの台上に載せて戻す反復動作(頻度:6回/分,動作時間:5分間)について,腹部全体を覆う
    腹帯
    あり(A),ジャコビー線を中心に上下3cmの幅で覆う
    腹帯
    あり(B)及び
    腹帯
    なし(C)の3条件で指示に合わせて実施させた.全ての動作時には表面筋電図を下記のように,呼吸応答を連続的に記録した.表面筋電図はハムストリングス,脊柱起立筋(第3腰椎の高さ)及び腹直筋を双極誘導で記録した.各筋の表面筋電図は課題動作前後の最大随意収縮を5秒間持続させたものを記録し,最大の筋電波形を挟む500msecの積分値とFFT変換後の中間パワー周波数(50~200Hz)を計測した.呼吸代謝の測定は呼吸代謝計測システムK4b2を用いてブレスバイブレス法にて行い,呼吸数,VT,VE,VO2,VCO2,心拍数を計測した.統計処理はSPSSver.16.0を使用し,一元配置分散分析と多重比較を行った.


    【説明と同意】本研究は青森県立保健大学倫理委員会の指針に基づき,対象に対し事前に研究の目的と内容を説明し,研究への参加・協力への同意を得て実施した.

    【結果】課題動作前後の最大随意収縮時の積分値を比較すると腹直筋では3条件とも殆ど差を認めなかった.脊柱起立筋では動作後に条件BとCで低値を示したが,条件Aでは前後の差がみられなかった.また,各筋の中間パワー周波数を比較すると腹直筋では動作前後とも3条件間で殆ど差を認めなかった.脊柱起立筋では動作後に条件BとCで低周波化を示したが,条件Aでは前後の差を殆ど認めなかった.課題動作中の呼吸応答ではVO2が条件Aで条件BとCに比べ低値を示す傾向であったが,心拍数に差を認めなかった.また,全ての条件でVEに差はみられなかったが,条件AではVE/VO2,VE/VCO2が条件BとCに比べ高値を示す傾向を示した.

    【考察】これまでに重量物運搬時の体幹装具の腰部を保護する効果について,運動力学から検討した先行研究は多く存在するが,一定の見解は得られていない.しかし,除雪動作のように体幹の前傾-直立姿勢を繰返す動作では体幹上部の質量中心からの重心は第5腰椎と第1仙椎間の髄核を支点とする長いアームの先端にかかる.この力に均衡するためには脊柱起立筋に約1/8の短いアームで約8倍の張力を発生させる必要がある.本研究での条件Aは腹直筋の代わりに腹部内臓を前下方に落ちないように支持し,胸腔内臓と合わせて体腔内で梁を形成することが出来る.しかし,条件Bでは骨盤の傾斜及び回旋は制限できるものの,条件Aのように腹直筋の代替とはなり得ないために体幹上部の質量中心からの重心は前下方に移動して条件Aよりもアームが長くなり,脊柱起立筋の張力を増加させると予想される.実際,脊柱起立筋の最大随意収縮時の積分値は動作後には低値を示しており,中間パワー周波数も動作後に低周波化を示しており,我々の考えを支持する結果となった.一方,課題動作中の呼吸応答では同じ動作を行ったにも関わらず,条件AのVO2が条件BとCに比べ低値を示す傾向であったため,腹部全体を覆う
    腹帯
    を着用することで除雪動作の相対的運動強度が低くなることが示された.しかし,条件AのVE/VO2,VE/VCO2は高値を示す傾向にあり,換気効率が悪いことが考えられた.これは条件Aのように腹部全体を覆う
    腹帯
    を着用することで腹部が広範囲に圧迫され,VTが減少し呼吸数が増加する状態,つまり浅く速い呼吸を繰り返すことになるためであると推測された.今回,除雪動作は研究者の指示に従ったものであるが,実際は自分のペースで行うことができるため,腰痛を予防する目的で
    腹帯
    を使用することの有効性が示唆された.

    【理学療法学研究としての意義】
    腹帯
    を着用して行う除雪動作の身体的負担を運動生理学的に分析することで,動作時の負担を軽減することを明らかにでき,地域住民の腰痛の予防に寄与できる.
  • 保健指導の資料として
    多田 恒子, 久納 智子
    日本看護科学会誌
    1985年 5 巻 2 号 84-85
    発行日: 1985年
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
  • 篠浦 喜吉之助
    日本循環器學誌
    1952年 16 巻 7-8 号 289-294
    発行日: 1952/11/20
    公開日: 2019/01/24
    ジャーナル フリー
    The depression of ST wave below the isoelectric line is most frequently found in Experiment I (head→tail×10") and hardly in Exp. II and III (tail→head & along the transverse axis × 10"). According to its form, ST depression can be classified in the 4 forms (M, C, V & r-form). ST begins to depress in the former half stage of exposure to the constant centrifugal acceleration, and indicates the maximal depression in the latter half stage of it. In many cases ST elevates gradually since the stage of the decrease of acceleration, but in some cases it maintains the max. depression till the cessation of centrifugalization and then begins to elevate. In general, ST depression returns to the isoelectric line within 10" alter the cessation of centrifugalization. It seems that the greater the acceler. is, the greater the frequency of appearance of ST depression and the depth of it are. Some supplemental experiment necessiated for the discussion on the experimental results were excuted. These results showed, I) In this experiment the Rabyrinth-Reflex seemed to have little influence on the changes in the pulse rate and in the height of P_II, R_II, T_II wave and the position of ST_II wave. II) In this experiment the change in the tone of Extracardiac Nerve was the most important factor for the change in pulse rate and the appearance of any arrhythmia, but the change of each wave of ECG seemed to have little concern with this factor. III) By application of the Abdomen Bandaging (30mm Hg Press.) to the guinea pig in this experiment, the change in pulse rate, the appearance of arrhythmia and the change of each wave, especially P & ST wave vanished or diminished in general. This was chiefly due to the prevention of the centrifugal stagnation of blood in the vessels of abdomen area. III) It was found that the Electric Axis whose direction was expressed by the angle θ_R in Maekawa's Orthogonal Isosceles Triangle Coordinates rotated clockwisely during the centrifugalization from head to tail, and it rotated anticlockwisely during the centrifugalization from tail to head. It was seemingly the chief causative agent for the former result that the heart position became more standing, and for the latter result that the heart position became more lying.
  • 西村 知子, 斉藤 早苗, 大石 和代, 皆川 恵美子, 田中 千鶴子, 大賀 明子, 藤田 八千代, 黒田 佳子
    日本助産学会誌
    1990年 3 巻 2 号 70-75
    発行日: 1990/03/11
    公開日: 2010/11/17
    ジャーナル フリー
  • 緒方 省三, 大川 裕
    臨床理学療法
    1978年 5 巻 1 号 38-39
    発行日: 1978/12/15
    公開日: 2018/07/25
    ジャーナル フリー
  • 松井 寛二, 大久保 忠旦
    日本畜産学会報
    1991年 62 巻 4 号 383-389
    発行日: 1991/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    1分間当りの心拍数,顎運動回数および顎運動休止回数を最長22日間連続して記録できる家畜携帯用データロガシステムを試作した,採食ボードと3台の心拍メモリー装置(64Kバイト型)を用いた.このメモリー装置は32768個のデータを記憶できる.すなわち22日間連続して1分ごとにデータを記録できた.下顎部に装着した抵抗変化型変位センサー(胸囲形呼吸ピックアップ)からの信号を採食ボードに入力して,顎運動に対応したパルスと3秒以上にわたる顎運動休止に対応するパルスを発生させた.この2種類のパルス信号を2台のメモリー装置に入力して,1分間当りの顎運動回数と顎運動休止回数を記録した.心拍数はA-B誘導法により心電図を心拍メモリー装置に入力して記録した.装置の携帯方法として,
    腹帯
    法(図6)と頭絡法(図7)を試みたが,前者は
    腹帯
    ずれが目だち,長期間の携帯には後者が適していると思われた.本研究では,心拍数,食草,反芻行動に関する各種の情報を長期間にわたり連続記録できるデータロガシステムを試作し,放牧試験で良好な成績がえられた.
  • (その3) 呼吸性移動現象の臨床的意義について
    小林 節雄
    北関東医学
    1956年 6 巻 5 号 375-381
    発行日: 1956年
    公開日: 2009/10/15
    ジャーナル フリー
  • あなたの胃瘻をお守りします
    宮本 晃揮, 村山 美香, 山本 三富美, 藤野 勝
    昭和病院雑誌
    2007年 3 巻 2 号 118-124
    発行日: 2007/03/01
    公開日: 2008/02/19
    ジャーナル フリー
    当病棟の胃瘻造設の患者様は19名で全体の32%を占めている。 胃瘻は鼻腔チューブに比べ、不快感・合併症も少なく管理しやすいが、自己抜去や創部感染のトラブルが多い。そこで、2名を対象に、改善に取り組み、効果を得たので報告する。Y氏:[多発性脳梗塞、脳血管性痴呆]、入院4ヶ月間で自己抜去4回を起こしていた。 ミトン手袋を着用するも1回自己抜去あり。合計5回の自己抜去により創部は発赤、肉芽形成、浸出液が出ており、バルンカテーテル16Fr挿入。 M氏:[多発性脳梗塞・痴呆]入院1年7ヶ月で、自己抜去4回、掻痒感を伴う皮膚疾患があり、テープによるカテーテルの固定が困難。創部は発赤はないが浸出液が多く、バルンカテーテル20Fr挿入。両氏への対策: 先ずミトンの手袋を外し、カテーテルを目に触れない様に胃瘻保護帯の中に納める事で自己抜去や保護帯を外す行為もなくなり結果的に、病棟内の抑制はゼロとなった。 スキンケア観察を続ける事で創部の発赤、肉芽形成、浸出液は軽減され、ミニボタンに交換も可能となった。
  • (床反力の解析)
    萩原 利昌
    臨床理学療法
    1983年 10 巻 4 号 262-
    発行日: 1983/10/25
    公開日: 2018/07/25
    ジャーナル フリー
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