リニアツク治療装置の使用電子線範囲を拡げるため, 「スキヤツタリング・ホイルによる電子線エネルギーの低下」を試みてきた.
電子線中のX線含有率を少なくするため, 従来の鉛などの材質に, 原子番号の低いMix-DP板などを, スキヤツタラーとして併用することにより, 8MeVの電子線より, 6MeV, 4MeVの臨床的に使用可能と思われる電子線を得た. 次にMix-DP板のスキヤツタリング・ホイルとしての長期間の使用により, Mix-DP板が変質, 変形してきた. これは装置の機構上, Mix-DP板に多量の線量照射の結果生じたものと思われ, その変化はOutput, エネルギーにも, 重要な影響を与えるので, その変化について報告すると共に, その原因が, 短時間多量被曝による熱による影響が多いと思われたので, 実験により原因を調べた. そしてMix-DP板も含め, スキヤツタリング・ホイルによる, エネルギーの低下方法の, 問題点を出してみた.
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