目的:本研究では小児専門病院における医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)の発生原因となった医療機器別に発生部位、リスク要因を明らかにすることを目的とした。
方法:研究デザインは後ろ向き研究である。調査期間は連続した3ヵ月、調査施設は日本小児総合医療施設協議会看護部長部会専門領域看護師ネットワーク/皮膚・排泄ケア領域に参加する18施設で全数調査とした。対象者は小児疾患により小児専門病院に入院中であるMDRPUを保有する患者とした。調査項目は、成長発達段階、日常生活自立度、褥瘡危険因子、褥瘡ハイリスク項目、病期、大島分類、肢体不自由の有無、褥瘡発生部位、MDRPUの原因機器である。機器と調査項目をクロス集計し調整済み標準化残差分析を行った。
結果:対象者は264名であった。MDRPU発生が最も多かったのは呼吸器関連機器79名(29.9%)であり、そのうち54名(68.4%)は顔面に発生した。最も発生の多かった呼吸器関連機器と関連があったのは、関節拘縮、病的骨突出、極度の皮膚の脆弱、大島分類、高校生以上であった。
結論:小児専門病院においてリスクの高い機器は呼吸器関連機器であり、好発部位は顔面であることが明らかとなった。また、小児特有のリスク要因である大島分類から重症心身障害児に関連する項目の重要性が示唆された。
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