コンピュータゲーム的な環境による学習課題の実施が,年齢の低い児童や精神遅滞児の認知能力にどのような影響を与えるかを実験的に明らかにした.開発した学習用ゲームは,コンピュータとの対戦型の神経衰弱ゲームと,学習用に改良したテトリスである.約2ヵ月の実施の後,初期と後期のゲーム中の被験者の方略を分析した結果,ゲームとともに記憶方略についての学習や,図形を認知し,適切な場所へ移動する判断力がのびていることが確認された.また,事前,事後の知能テストにおいても,精神年齢の伸びが認められた,さらに,それぞれに関連する学習課題に対する達成率が未試行者に比較して伸びていることが確認された.
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