私共はカテーテルを用いない末梢の静脈からのDigital Subtraction Radiography (DSR)を施行してきた. 今回その中で経験した胸部大動脈瘤13例, 腹部大動脈瘤15例について, いくつかの症例を供覧するとともに, 診断能, 描出能について考察した.
用した装置はTechnicare DR 960であり, 主に肘静脈より19Gのエラスター針を挿入し, 造影剤1回量20~40mlを, 注入速度約13ml/secで検査を施行した, 撮影は間歇曝射でカテーテル直接法と同様のプログラムで撮影した.
非侵襲性がDSRの第一の利点であり, 高令者, poor risk例, 外来患者にも検査可能である. 又, 症例で示したごとくfalse lumen, true lumenが描出され, 大動脈瘤の範囲の決定が容易で, 腹部においては手術適応の有無である腎動脈病変の判定も可能である. 又, 1例ではあるが, 大動脈の辺縁像がHalo様陰影として描出された例を経験した.
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