〔目的〕発達障害およびその傾向をもつ新人看護師が、業務を遂行する上で直面している困難を当事者の認識から明らかにする。
〔方法〕発達障害およびその傾向をもつ臨床経験2〜4年目の看護師4名を対象に半構造化面接を実施し、質的記述的分析を行った。
〔結果〕発達障害およびその傾向をもつ新人看護師の業務遂行上の困難として、【手はずが整わない行動】、【作業記憶の保持不足】、【感情の自己制御不可】、【誤った自己解釈と自分本意の優先順位】、【確認不足を伴う援助強行】、【行動変容の難渋】、【看護技術の未熟】、【解決の糸口がみつからない失望感】、【理想とする自己と現実との乖離】、【病棟スタッフからの孤立】の10コアカテゴリが抽出された。
〔考察〕発達障害およびその傾向をもつ新人看護師の困難の自覚と支援者側が捉える困難の認識には差異がみられ、このような差異が偏見や差別に繋がる可能性がある。そのため、支援者側が発達障害に関する知見をもち、対象理解に努めることの必要性が示唆された。
抄録全体を表示