日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第5回大会
セッションID: p3-008
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ポスター発表
社会的できごとの生起時期推定における加齢差
*木暮 照正
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抄録

過去にニュース等で報道された社会的できごとがいつ起きたのかを改めて推定させてみると,実際の生起時期よりも現在に近づいて報告される傾向が一般には認められる(テレスコープ効果)。ただし,より最近に起きたできごとの場合はむしろ実際よりも遠ざかって報告される傾向もある(反テレスコープ効果)。木暮(2006)はこの両効果と回答者の認知スタイル(認知的熟慮-衝動性の次元,滝聞・坂元, 1991)との関連性について検討を加え,反テレスコープ効果の傾向は即座に判断を下しやすい衝動群において強いという可能性を指摘した。本報告では,これを踏まえ,さらに加齢差(若年成人群と高齢群)との関連性について検討を行った。その結果から,認知スタイルの影響よりも加齢の影響の方が大きく,高齢群の方が反テレスコープ効果の影響が強い可能性が導かれた。このことに基づいて生起時期推定において生じる加齢差と認知スタイル等との関連性について考察を行う。

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© 2007 日本認知心理学会
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